主婦(仮)8

第一印象は大事ですからその点においてはよく考える必要がありました。
その結果、私はこのような装丁、ジャケットになっています。

私の外見についてはいづれ,明らかになるでしょう。

私は今日もまた伏線を書いては、あちこちに仕掛けました。

あれからどれくらい時間が経ったのでしょうか。
今日は悪阻のためか、貧血のためか何もやる気がしなくて、*素敵な名前(仮)*さんが帰ってくるのをぼーっと待っています。

ところで、あれから一体どれだけの時間が経ったのでしょう。
朝ごはんはいつ食べたのでしょう。

少し、調子が良くなってきたところでイギリス映画を観ました。

上流階級のお嬢さんと結婚した主人公は、女優志望だった義兄の元フィアンセの女性と
いい仲になってしまって、ここまでは昼ドラ的ドロドロした展開で
安心してぼけっと観ていました。

ところが、ついにこの主人公は自分の子を身ごもってしまった浮気相手の女性の殺害を
企てて、実行に移してしまいます。
それも犯行を隠すために、関係のない住人も巻き込んで殺害してしまいます。

警察は浮気相手の日記から主人公を疑い、杜撰な犯行から主人公はすぐ捕まって
逮捕されるのかと思いきや
偶然にもラッキーなことがあってなんのお咎めもなし。
という、とても主人公にはラッキーなお話でした。

主人公が死んだ浮気相手に、ソフォクレスの言葉を借りて
「生まれてこないことが一番いいことだ」と言い放つのですが
だからってもう生まれてきちゃった人は殺したらだめだよぉ。

と、思った。

でも、そうか、思ってもみない人から殺害されてしまうこともあるんだな、
このまだ何も起きない小説の中では十分に気をつける必要があるだろう。

ましてこのお話には、夫しか出てこなくて
私は私の材料のために、架空の日記を書いている。

そこには、娘ちゃんが夫の子どもではない、ということが記されていてー

夫が現れた。

「*素敵な名前(仮)*さん、おかえりなさい。」


そこから7日間、美月は俺の前から姿を消した。


















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