主婦(仮)その2

丸いおなかを撫でてみると、ぼこぼこと足型が浮き出てきて
ちょっとキモいな、って娘ちゃんに失礼なことを思ってしまった。

*主婦(仮)*は、ふと場面の切り替え方について考えた。
私は、このまま、ここでこうして考えていていいのだろうか。

人さまの大事な時間を私が思考することによって奪っていいのだろうか、
つまらないことを考えて、それを文字に起こし、読んでもらい、
あわよくば関節的にお金まで貰って、こんな無責任なことを考えていて
いいのだろうか。

何か一ミリでもその人のためにできることはないのか。
私に責任はないのか。

一般的な平均読書速度(本を読むスピード)は1分間に400~600文字くらいといわれています。だそうです。

そう、たしかに本を一冊読むのにお話の長さにもよるけれど、3時間くらいを要するよねって思いました。

永遠にこうしていたいけれど、原稿用紙にして200枚、確か原稿用紙は400文字詰めで
点や、丸、思い出した句読点。もカウントされるし、行替えしたらそこでもけっこうマス目を使ってしまう。

限られているのに、無駄なことが多過ぎた。
まるで私の人生の前半部分みたいではないか、と思ったけれどまた残りが減

主婦はそこで「まてよ」と思った。

「だ・である調」にしてあるのは、もしかして、読む人が少しでも手短に文章を読むためのサービス精神なのではないかと。

けっして偉そうにしているわけではないのではないだろうか。
そう思うと、少し*主婦(仮)*の心は明るくなった。

「これで私も堂々と『だ・である調』が使えるではないか」

だがまたすぐさま恐ろしくなった。

「今まででどのくらいの枚数を使ってしまっているのか」

ここまでのあらすじだけ、3行で端的のお話させていただくと

・主人公は身重で主婦で小説を書いているらしい(名前はまだない)
・夫が外食に行く
・物語がすすまない

です。

私が余計なことをするたび、つまらぬことを思考するたびに人さまの時間を間接的に
奪う、恐ろしい行為に日常の大半を費やしてしまっている。

だけれども、うまくいけば少しはいいことがあるかもしれない。
1分に読める文字は500文字くらいという雑学を盛り込めたし、これからはもっと自然に
会話などにそうした「ちょっとした雑学」を盛りこめたらいいなと思う。

幸い夫は私よりは物知りで、よく色んなことを教えてくれる。
もしストーリーに困ったら夫にきいてみようと思った。

そして、なるべく手短に、それでもって、中身のある、イメージは「チェーン店の牛丼」
そんなものを作りたいな、と思った。
だから私はこうしてはいられない。

急いで、娘ちゃんを産み落とし、物語をすすめて、尚且つ、*素敵な名前(仮)*さんの
名前を決めなければならない。
だから、私は願った。

「場面、切り替わって」





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