主婦(仮)4
「やべー間違って名前、言っちゃった」
やや密室なのに、風邪ウイルスは一体どこから体内に侵入したのか。
風邪ウイルスを擬人化した物語はどうだろう。
そんな漫画が
その頃、*主婦(仮)*は風邪を患っていた。
正確には喉の痛み、関節痛、咳、熱の症状です。
と、言わなければなりません。
前回お医者さんに行ったとき、うっかり「風邪みたいで」と訴えたら
「じゃ、風邪薬飲んだらいいじゃない。なんで来たの」って言われたことを思い出し
「のどの痛み、関節痛、咳、熱の風邪のような症状です」と反芻してみました。
お医者には具合いが良くないからいけないやー娘ちゃんもいるから薬も飲めんし。
*主婦(仮)*は、だるくなると心の声もちゃんとだるそうになる。
でも良かった。私自体が小説なので幸い思考することはできる。原稿用紙やパソコンにはとても向かう気にはならないけれど横になりながら、ぼつぼつ今後の予定について考えよう。
それにしても場面の切り替えをあんなところで使ってしまったけれど、
あのあと何か夫からアドバイスをもらったりできた気もするし
風邪に至る経緯を検証したりやることがあったような気がする。
ああいうのは、ほんとに困ったときだけ使おう。
私はしばらく、外に出ていない。
夫以外との接触はほぼなくて、宅配を受け取るくらいしか外の人間と接触を持っていない。買い物に出るのは週に一二回だ。
そもそも私が小説なのに、登場人物がこのままでは「夫」「宅配」「スーパー」の
3人になってしまう。何も起きないのではないか、という不安がよぎる。
「非常にまずいですね」
でもでも、宅配は郵便とイヌ社とサル社でメンバーチェンジがあるから総勢10人くらい。行きつけのスーパーもきっと少なく見積もって60名は働いているだろう。
総勢70人もいたらそのうちの一人くらい、すごい経験をしていたり、事件に巻き込まれるかもしれないよね。
でも、私とどうやってその70名と接点を持つのか。
そこは考えていなかった。
いきなり「私と関係を持ってください」と言うのはかなり勇気がいるし、
とにかく相手が困らせることが目に見えているから、だめだ。
私は小説ですが、あまり筋道を考えたりしていなくて、まして「推敲」という
高度な技術については誰も教えてくれなかったのでこれから身に付けたい
と思う反面、
私自身が小説ですから、大幅な書き直しは過去や今現在を無理やり変えていくような
気がしてしまい、あまり気が進みません。
時間が巻き戻せないのがSF小説以外の定説ですから、そこはフェアに臨みたいと思います。
SFではなくて、純文学的ななにかになろうとしているのでご理解いただきたい。
私は考えるときに基本語尾を「だよな」「かな」「困ったなー」の3種類くらいで
ローテンションしているけれど、それも小説となった今は少しだけ
変えています。最後が全部、「だよな」「かな」「困ったなー」の小説なんて
たぶんつまらないし、
リズムが悪いなって思うから。
風邪のせいで、今日はいつにも増してお話のアイディアが浮かばない。
それにしても今日はこの作品の中で一番、楽しみにしていたシーンを描こうと思っていたのに。
一番私が心躍る場面だったのに、残念です。
ここは「ボツ」にして、ごっそり削除しよう。
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