大後悔時代
「大吸血時代」っていう気になる吸血鬼ものがあってAmazonで注文したんだけどまだ届かないし、葬儀場をまとめる仕事もまだ連絡がこないので適当なことを書いておきます。
エリは自分は頭が幼児のまま成長していないような気がしていた。
すでに大後悔である。
両親から口を酸っぱくして、言い聞かされていたのに
こともあろうにある一人の人間に自分の正体を明かしてしまったのである。
ふとお姉ちゃんのことが頭をよぎりました。
でもお姉ちゃんとは違う、エリは頭の中で頭をぶんぶんと振って考えを
改めました。
私はお姉ちゃんと違って自慢したいだとか、有名になりたいだとかそういうことで
「実は私、吸血鬼なんです。」なんて言ったわけじゃない。
友達は一人だけいたけれど、もちろんそんなことを言ったら頭がおかしいと思われるから
吸血鬼なの、とは言わなかった。
正確には言ったことが一度あるかもしれない。
そして高校生になった私は幼少期の親の苦労を少しは理解できるようになって
自分の出生に関わることは絶対にこれから先も言わないだろうな、
と思って暮らしてきた、はずだった。
さらにざねねんなことに、その人のことに関しては、実はよく知らない。
メールアドレスを交換しただけ。
たぶん男性。年齢不詳。
34年生きているにしては慎重なほうだとは思いませんか。
そうそれもそのはずです。
だって失敗したことは2回や、3回や10回くらいある。
私はよく考え事してすごしました。
人間ではないものの、ひとと仲良くやっていく方法や将来について考えていた。
まず、父親のことが気がかかりでした。
父は人間だったのでもうどんなに医療が発達しても、きっと40年くらいで
死んでしまう。
還暦を迎え、外出先では「おじいちゃん」と呼びかけられることが増えるにつれて
少しずつ遠くに行ってしまう速度が、倍速に感じられます。
母もまた気がかりでした。
吸血鬼と人間のハーフの母親は、見た目こそ若々しかったですが100年以上生きているせいか何かにつけて物憂げで、しょっちゅうため息をついていて過ごしています。
母についてはちょっと理解出来ないことがあって
この前、飛行機が墜落して死者が大勢出たとき
「一生分の食糧よね。勿体無い」と言っていた。
かと思えば、災害のときは「こんな体じゃなければ、何かお手伝いしたいわ。」
と言っていてどっちも本心みたいだった。
母親の悩みのたねの一つは、きっとお姉ちゃんです。
お姉ちゃんはインスタグラマーになって、駆け落ちして家出しました。
母は「恥さらし」「絶縁だ」と言っていますが
PCの履歴からこっそり、ちゃんと生存確認をしているようで
心配しているのだな、と思います。
それに父も母もお姉ちゃんの住所を知っていたし、駆け落ちといっても一度は
私の家に挨拶にきたこともあるみたいなので
お姉ちゃんの恋人はそんなに悪い人間じゃないはず。なんだけど、
強行しまって点については納得いかんです。
そのことについて、今日もらったアドレスにメールしてみようと思う。
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