ここだけ怖いお話。
高校の頃、自転車で夜道を走っていたら、歩道が途切れていて
側溝に落ちました。
秋口だったので、長袖のブラウスを着用していたのを覚えています。
覚えているのは天地がひっくり返ったことと、
夜風が涼しかったこと、近くに住むおばあさんに助けてもらったことだけです。
そこから家に帰った、つもりでした。
でも家に帰る途中に変な人に遭って、それまで心地よかった気分が台無しになりました。
比較的きれいな水が流れる側溝のほうがずっとマシです。
家に帰りたくなくて、米や農機具を保管している納屋で横になっていました。
縄を綯うための藁があって、その中にいると安心できましたし、
窓から見える月明かりが綺麗で、嫌な気持ちもだんだんと薄れて今度こそ家に帰ろうと思いました。
でも、まだ家に帰ることができません。
濡れた制服の気持ちの悪さより、家に帰ることのほうがずっと煩わしかったのです。
翌日は何事もなかったように制服を着て、学校に行きました。
学校指定のローファーが流されてしまったので、
少し踵の高い普段履いているローファーを履いて行ったら風紀委員の先生に
「靴」と呼び止められ、
「昨日、川で流されました」と答えたら
「もっとマシな嘘をつけ」と言われて本当なのにな、と思いました。
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