人は見かけに


今から10年以上昔、まだ20代だったころのお話です。
「駐車場に朝から停めてる車がいるんだけど、近所の若い兄ちゃんかな。
困るなー」

私の勤める会社の店長が、監視モニターを眺めながら言っていたと思います。

迷惑な車もいたもんだなーと呑気に思っていたのですが、
「派手なシャコタンの車」とか「警察に通報」という単語が聞こえてきたあたりから
「え、え、ちょっと待って」とどきどきして
「それは近所の兄ちゃんのじゃないかもですよ!」って心の中で叫んでいた。

どのタイミングで店長に切り出そうか。

こういうことは遅くなるほど言いにくくなる、
っていうのをけっこう昔から知っていたはずなんですがなかなか言い出せずにいました。

「緑の」って言ったよね?今緑って。
今しかない。「店長、もしかしたらその車私のかもしれません。」

そのときの気まずさと車のイメージが私を数日悩ませました。
しかも店長は車のことをいいふらしたと思う。
鮮魚の人にも「あの緑のアコード」って言われたから。

そーいや車繋がりの話で、

旦那さんは車を運転する仕事をしていたときのお話で
小さいお子さんとお母さんを乗せていたんだって
そしたら子どもが
「お母さん、なんか臭い」って言うんだって
「あーおじさんがしちゃったのかもね」みたいな会話がきこえてくるんだけど
犯人は旦那さんじゃないらしい。

「でもよ、ここで俺じゃないですよって言えないよな」
私もそれには同意。
どうにかこの局面で、誰も傷つかない神の一手を投じることはできないものでしょうか。

ちなみに車って書いたけどエスカレーターかもしれません。
間違っていたらごめんなさい。




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