FJちゃん、体調ちゃんと夏休みの予定を立てる。
「FJちゃん、夏休みはどんな風に過ごすの?」幻想の縁側で、白ワンピに麦わら帽子を被った
体調ちゃんがアイスキャンディー(ソーダ味)をしゃくしゃく食べながら訊いてきた。
「体調ちゃん、まだ7月の半ばだっていうのにすっかり夏休みモードみたいだね。」
「うん。自律神経さんとバカンス中だから、8月いっぱいは休もうと思っているよ。それで
どうするのさ。」
アイスキャンディーを食べ終わると、見たこともない金色のやかんから麦茶を注いで
ごくごくと飲み出した。
「いいの飲んでるね。私もそういう、やかんの麦茶飲みたい。最近はコスパ悪いけれどもっぱらペットボトルの麦茶ばっかり」
「で、夏休みの予定ですが」
「真面目に答えちゃうと、『息子の宿題をみる』っていうのがひとつ大きな課題なんだよね。
去年とかは全国のプールを調べる仕事があったから、自分の仕事のしながら机に向かわせてて
あまり取り組みがストレスじゃなかったんだけど、今年は大きな仕事もないからちょっとどう
しようかな、みたいに思ってた」
体調ちゃんは、庭で飛んできたすずめにパラパラ米を与えている。
「FJちゃんみてみて!すずめさんが砂浴びしているよ。砂浴びって羽についている寄生虫を
落とす作業なんだって、知ってた?」
「うん。で、なんだっけ?夏休みの予定だけど、ごめん、さっきのは忘れて。あなたに前もっ
て話しておくと心配して、余計ひどいことになりそうだから」
「そうだよー。それに今バケーションだから、体調ちゃんのことはあまりあてにしないで欲しいな。
私の提案なんだけど、家族で一泊旅行に行くっていうのはどう?」
「それは考えてた。でも体調ちゃんごめん、今から私ネガティブなことしか言えなそうだし
夏休みの予定とか考えたくないかも。」
すずめちゃんはまだ砂浴びをして体についた寄生虫をとっている。
「かゆかゆ」
「厳しいことをいうようだけど、FJちゃん。あなたは現実から目を背けている。
たかが1泊くらいでしょ?それがなんだっていうの。
家族旅行には行けるんだから、それを目標に宿題も早めに終わらせようねって
言ってあげれば、そんなに今から悲観することもないと思うぞ。」
「あと旦那さんは土日しか動けないから日にちも自ずと決まってくるはず。
まず旦那さんのスケジュールをきいて宿泊先を決めてみては」
と、体調ちゃんは体内から目線じゃない目線で言ってくる。
「そうね。旦那さんにスケジュール確認はしてみる。あと漫画教室と3Dプリンタ教室、
eスポーツ教室、習い事もあるから、忘れないようにしないと」
体調ちゃんは幻想の縁側で今度はスイカ割りを始めたんだけど、
手に持っているのが薪割り用の鉈で
割ってしまったのはFJちゃんの頭で、明らかにしまった、という顔をしている。
米をついばんでいたスズメさんが私のほうに寄ってきた。
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