それゆけ!ムハンマド君

 ※歴史上の人物、事件、宗教、団体とは一切関係がございませんので、ご了承ください。


あれは何だったのか。

僕はとうとうおかしくなってしまったのか。もしくは夢だったのか。

寝惚けていたのか。

「誦め」

美しい錦の巾着を持った男(たぶん)が眠っている私に突然語りかけてきた。

何のことか分からないから

「何を誦むのですか」と訊くと、

いきなりその錦の袋で僕の首を締め上げたので、

死ぬかと思った。

ようやく手を緩めてくれたかと思うと

また男が「誦め」と言うのだけれど、何のことだかさっぱりわからない。

またしても僕は「何を誦むのですか」と

同じことを言ってしまうのだが、

これは二度と同じ目に合わされたくない一心からだった。


また締め上げるのでは、と反射的に目を瞑ると

男が言った。


『誦め、「創造主であるお前の主の名において。主は凝血から人間を創造した。誦め

、「お前の主は寛大このうえなく、ペンで教えた。人間に未知なることを教えた」。』


僕は男と同じように誦んだ。

誦み終わると、男は僕の元から去って行った。

やはり夢の中の出来事だったのか。

だが、眠りから覚めても男の「誦め」と言った言葉は

まるで心に書き込まれたように、こうして消えずに残っている。



_______ここからテキトーな楽しいお話________






♪楽しいお話♪

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ちなみに僕の名前は

祖父と父にちなんだものでムハンマド・ブン・アブドッラー・ブン・アブドラムッタリブっていうのが本名。

ブンっていうのが息子っていう意味で

アブドッラーの息子のアブドラムッタリブの息子、それが僕。

まーわりとポピュラーな名付け方だけど、とりあえず長いから

みんなムハンマドって呼んだ。


僕が生まれた時代は6世紀も後半でこの頃、世界で有力な文明圏は三つあった。

一つ目が南北朝の分裂から隋による統一に向かう中国。

二つ目が、ギリシアからトルコ・シリア・エジプトあたりまでを支配しる東ローマ。

つまりビザンツ帝国。


もう一つが中国とビザンツ帝国の中間にあって今でいうところのイランを中心に支配していた

ササン朝ペルシア。

詳しくはよく知らないけれど、東ローマ帝国とササン朝ペルシアは、トルコの東方から

シリアのあたりで戦いを繰り広げていたらしい。


そのため、中国と地中海の間で陸路を使って通商を行っている人々は

安全確保のため戦で危険な地域を避けて北と南に交易路を開拓するようになったんだ。


さらに東西を海路で結んでいた交易路も、インド洋から紅海に入る経路は

アラビア半島を寄港地にしたから中継地として

僕の住んでいる地方は栄えていた。

地方といっても、国でもないし、市町村のレベルでもないし、王権ってのもなかったから

国王も市長もいない。

警察もだけど、整備された法律もなくて

「ザ・部族」って感じ。

その中のクライシュ族っていう部族の一員で

雰囲気は砂漠の遊牧民をイメージして欲しい。

母は僕が6歳になる頃に亡くなってしまったので、



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