跳ぶ。

私の辞書になかったコトバ。
「跳ぶ」

けっこう過酷な状況でも、ちゃんと制服を返しに行ったり所定の手続きを終えて
退社してきたし、部活を下級生全員でボイコットしたときもちゃんと
先輩や先生と話し合って、円満退部の経験を誇るFJちゃん。

あれは忘れがちな、中１の頃の話しじゃった。

FJちゃんは比較的仲良しの子ら４人５人と共に、一人だけ違う部活に
入るのもなんだか不安なので
ふらふら卓球部入りました。

毎日遅くまで球拾いと壁打ちに明け暮れ、男子の顧問はとにかく怖いし、女子の顧問は
生徒から「◯ちゃんと」名前にちゃんづけで呼ばれるくらい舐められていて
食べ物をあんまし食べていないような見た目の若い先生でした。

その先生もおそらく、顧問を持たないといけないから顧問になっちゃった感じで
私たち新一年生と同じくらい卓球に対する熱意は感じられなくて、
「先生ひと月にどれくらい洋服にお金をかけているの？」
「ちゃんとご飯食べてる？」とかお話ししながら、体育館２階のギャラリーの卓球台でだらだらと、ピンポンしてたような気がします。
（今考えると、先生に対してとても失礼な質問です）

ギャラリーには猫の糞付きの古びた大縄跳びがあって、そこに球が飛んでいくと
どんよりした気分になったし、大腸菌とかも気になったし、今でも思い出せるくらい常に変な匂いがした。
さらに二階から下に球が落ちれば拾いに行かなければならなかった。
でも、そこでだらだら過ごすのは嫌いではありませんでした。

でも運動部はそれを許してくれなくて、
応援練習という地獄や、強化練習と呼ばれる保護者まで巻き込んだ長時間練習も乗り越えて
あれはいつなんだろう。
冬がなかったのは確かなので秋口でしょうか。
土曜日。
お昼を食べてから、これから今日も部活だなーと思っていたら
誰からともなく
「今日は部活に出ないことにしよう」というお話になって
私もそれに従う感じで、部活を跳んでしまいました。

学校に制服など荷物を残したまま、ジャージ姿で総勢７人くらいで学校を後にしたと思います。

いずれ制服や煮物を取りに学校にいかないといけないのに、けっこう浅はかだったし
ぶらぶらその辺をほっつき歩いている間も
「UFOにさらわれたことにしよう」とか
「おばあさんを助けたことにしよう」とかけっこう馬鹿みたいなことを言ってた気がするんだけれど、
もうテンションは上がっちゃってるし、しょうがないよね。

なんでこうなったかという経緯は、ぶっちゃけその時は知らなかった。

んで、やっぱり荷物を取りに学校へ帰りますよね。

帰ると、怒られるとかより先に眼鏡の小柄な先輩と眼鏡の大柄な先輩、眼鏡率高めが
みんな泣いていて
ちょっとびっくりしたけれど、事件とか事故に巻き込まれたんじゃ？って思っちゃうものなのかな。

その後のことはどうなったか忘れて、当たり前に家に帰りました。

後日、先生と代表の先輩を含めて話し合いになった。
しばらくなんでみんなして部活をさぼったのか、わからなかったけれど
その影に
「ユニフォームがダサい事件」というのがあったらしい。
確かに、蛍光色みたいな真っピンクのユニフォームはダサかったけれど、
もう仕方ないもので口を出す余地なんてないと思っていたから意外。

あとは練習がハード過ぎる、っていうのはだいぶ思っていたからそこは同意。
毎日家に帰ると１９時３０分くらいで、帰ってご飯を食べて眠る生活だったし、
土日も大会が入っていて
とにかく中学生活における卓球の割合が高かった。

だけどFJちゃんの学校の卓球部はそこそこの強豪校で、そこで生じる先輩たちとの
温度差。

その話し合いは、校長室において行われました。
FJちゃんは話し合った。

なんで私が話しているのか、ちょっとわからなくなるけれど
そういう場においてFJちゃんはちゃんと解決したいと思う派。

男性の顧問と、女性顧問がいたか定かではない。
対する１年生は、トイレに一緒に行って置いてくるとめっちゃ怒る子と私。

トイレに一緒に行って置いてくるとめっちゃ怒る子のことは、ちょっと苦手だったけど
ユニフォームについて一番憤慨していたような気がする。

話し合った結果、先生の言い分は「気持ちはわかった。お前たちの代になったら、ゆるいピンポン部にしてもいいから、今は先輩らを応援してくれ」って感じ。

ユニフォームはこの際しょうがない、買っちゃったし。
でも、勝手に決められらユニフォーム、それも嫌だったんだよっていうのも
それとなく伝えておいた。

顧問が先輩たちへ報告して、お互い「ごめんね」っていうムードの中、
私たち１年生女子部員は１名を除き、１０名全員が辞めた。

わりと長い物には巻かれる主義のFJちゃん。
特に辞める理由もなくなってしまったけれど、
同学年の女子のコミュニティから外れる恐怖が勝るので迷うことなく
辞めた。

顧問とはその後、厄払いで会って話したけれど
気さくに話しかけてくれて
まー良かったな、って感じ？
卓球は今でもやっているみたい。