実家からうさぎがいなくなっていました。


それは5さいくらいのときのことじゃった。

「FJ!ちょっとこっちにきてみなさい。うちにうさぎがいるよ」←ほどよい方言で。

「え、うさぎ!どこにいるの?」うっそ。絶対いるわけないじゃーん。

「おじいちゃんの寝床の部屋だよ」

「えーほんとかな」
いるわけないけど、そんなに言うんだからなにかあるに違いない!

とワクワクを隠せず、おじいちゃんの寝床の部屋に行っててみると

そこからさらに引っ張っるおじいちゃん。
そんなに引っ張らなくていいよ!
もういいよ!
うさぎを早く見せて!
「ほら、うさぎだよ」
え。
うさぎは陶器の置物だった。

それから月日は流れ、FJは20さいくらいになった。
おじいちゃんは亡くなって、

お父さんが
「FJ!きでみれ゛。車庫さねごいるど」
「ねこ!うそー今行く!」

猫くらいなら車庫にいるなんてことはけっこうあるので
父の猫嫌いという性質をすっかり忘れて、
猫好きの私は猛ダッシュで靴を引っ掛けて、
猛ダッシュで外にいくと、

ねこは一輪車だった。

「ねご」
これは方言なのだろうか。
思い出したら他県の人にきいてみよう。

娘のしょんぼりをよそに、
とにかくおじいちゃんも父も嬉しそうだった。








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