今日の出来事
まず、母には申し訳ないのですが
「お子さんは諦めたほうがいいでしょう」という提案を
素直に
「はい。そうですか」と聞き入れてもらいたかったです。
そうすることによって
私の生まれいづる、苦しみや苦悩、下痢、苦痛、恥、痛み、痒み、疼き、爛れ、
吐気、嘔吐、出血、抜歯といった
多くのしなくてもいいことはすべて存在せず
無のままでいられた。
そんなことを言うと
「親が悲しみます」だとか「子供がかあいそう」とか
言われてしまうかもしれませんが
実の子も「注射をするなら死にたい」と言っているくらいなので
産んでしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。
しかも、担任教師には
「マイペース」だとか「フランス人並み」だとか「遅刻ギリギリ」だとか
息子に対する感想を述べられて
大層、不快だったし
フランス人にも失礼なので
もう日本人らしく
遅刻ギリギリでごめんなさいと絶叫しながら切腹するしかないと思いました。
息子は誠実は人柄で多くの人望もあるようなので、
私がいなくても夫と立派に生きていくでしょう。
という、ブログを書き残し
母は首を吊って亡くなりました。
正直なところ僕はいつか、こんな日がくるのではと
思うこともあったので悲しみこそしましたが
受験や忙しさにまみれる中で
「母は解放されたのだ」と思うようになりました。
亡くなる当日の母はいつもと変わらない様子で
僕を学校へ迎えに来てくれ
「ねぇ***
スピードメーターがハンドルで隠れて見えないから
ハンドルの位置を下げてくれない?
何キロ出てるかよく分からないで走ってるの」
と僕に、お願いをしてきて
これから死ぬ人間が
そんなスピードが何キロ出ているかなんて
気にするのだろうか。と少し疑問に思いました。
ハンドルの位置が下がって満足げな母は、
家に入ると
「ちゃ」と何か言いかけました。
「?」
ダイニングテーブルを片付けながら
「宇宙戦艦やーまーとー」と
口づさんだかと思うと、
ハッとした顔をして
「ごめん。ハンドルを直してくれてる間に楽譜見ちゃった。
宇宙戦艦ヤマトのドラム叩くんだね。
っていうか、秘密だって言ってたから隠しておきたかった
ダメだね歌ってるし。1回目は堪えたんだよ?」
そう、僕は部活の定期演奏会を控えていたし
それも母が楽しみにしてくれていた。
三者面談のあと確かに落ち込んでいた様子は
手に取るように解ったけれど
隠し事が苦手な母は、僕や父に隠したままあんなにスマートに
死んでしまうのだろうか。
母です。
***が疑問に思うことは、けっこう良い線をいっています。
でもきっと「生まれてこなければ」と考えていたので
罰が当たってしまったんだと思います。
死ぬつもりは、なかったのに、死んでしまった。
事故でもなく、自殺でもなく、他殺でもなく、ショック死なく、絞殺でもなく、銃殺でもなく、溺死でもなく、焼死でもなく、笑い死でもなく、圧死でもなく、失血死でもなく、死んでしまった。
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