リトル・シングス
父から「今日は息子くんを迎えに行けないよ」という電話があった。
「いつも正面玄関前に車を付けているから、お前もそこで待っていないと迎えに来ていないと思ってしまうかもしれない」
と、話す父は健常者なのに身障者駐車スペースに堂々の駐車する大馬鹿野郎で
学校のお迎えの際も保護者の駐車スペースは決まっており正面玄関前には車を乗り付けては
いけないのに、それを伝えているのに、ルールを守らない。
腹が立ってきたので、早々に電話を切り、お迎えにはまだ早いが出かける支度をする。
ふと、最近郵便や荷物が来ているわけではないのに玄関付近から物音がしていたことが
気になっていたことを思い出した。
物騒な事件もあるので、電池が切れたままになっていた人感センサーに電池を入れ直そうと
息子の部屋にある乾電池を拝借するため廊下へでいた。
すると、どうだろう。
ぴちょぴちょぴちょぴちょと一階のほうから音がするのだ。
足音を忍ばせて、階段を降りるとトイレの洗面の蛇口からほんの少しだけ流れていた。
自分が使ったあとに、蛇口を戻し忘れてしまったのだろうか。
水を止め、2階へ戻ろうとした時、廊下から玄関へふと目をやると玄関の鍵が空いていた。
これも自分が閉め忘れたのだろうか。とは考えにくく
玄関の物音が気になってからこれまで以上に厳重に鍵をかけるようにしたのだ。
家の中に私以外の誰かがいるかもしれないと思うと急に恐ろしくなり、スマホも置いたままそのまま外へ出た。
それにしても、今日は霧が濃い。
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